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「注意一秒 怪我一生」       2008年8月


幼い頃、父親の自転車に憧れた。
止めたままの状態でサドルに座ると
ペダルには到底届かなかったが
充分大人のような気分がした。
父が居ないのを見計らって
近くの空き地へ持ち出し車体を傾け、
奥のペダルをグイッと踏んで加速をつけ、
立ったままで手前のペダルにうまく足を乗っける。
何度も失敗を重ね、やっとヨロヨロと
動き始めた時の快感は忘れられない。
子ども自転車など買ってもらえなかったあの頃、
はやっていた三角乗りというやつだ。
そこらの空き地や原っぱには
そんな仲間がちらほら居た。
どう転んでも擦り傷くらいだったが、
ハンドルはいつもあらぬ方向を向いていた。
元に戻すにはひとりではこなせないので、帰り際
互いに協力しあって「また明日ね」ってことになる。
あの頃、さほど車は走っていなかったが、
接触事故を心配した母との約束で、
社宅の北側を走る銀水川沿いの表通りには行かなかった。
さて、今や子ども達は高性能な自転車にまたがり
色とりどりのメット着用で車の傍らを
ビュンビュン飛ばす時代となった。
坂道を全速力で駆け下りたり、路地から一時停止もなく
飛び出して来るのにはいつも肝が冷える。
自転車が絡む事故の割合は毎年増え続け、
違反者にはレッドカードとやらも交付されてるという。
こと子どもの自転車に関しては親の管理責任が問われる。
うちの子が小1の時自転車を欲しがった。
心配性の僕は断固反対したが、そのあまりの熱意に
とうとう押し切られてしまった。
ならばと僕は三日間つきっきりで一緒に町を走った。
「ハイ、ここでは一時停止だぞー」
「信号を良く見てー」と叫びまくった。
今時の親御さん達のそんな姿はあまり見かけないが
どうなってるんだろう。
そんな心配が現実となるような出来事があった。
坂道の向こうから宅配便の車がこちらへやってくる。
そこへ路地から子ども自転車が勢い良く飛び出してきた。
車も急停車し自転車もすんでのところでブレーキが間に合った。
タイミングがずれてればまさに大惨事というところだった。
そこへやや遅れてお母さんの自転車が到着した。
車から降りて子どもを気遣う運転手さんへ一礼した後、
子どもへ「轢かれたらどうするの」「危ないじゃないの」
と言い続けた。
確かにその通りだが、まずは「ああ無事で良かったね」と
言葉を投げかけて欲しい。
今日の事でその子は飛び出す事の危険を
身をもって知ったと思うけど、
やっぱりお母さんには
「今度から路地から通りに出る時はちゃんと止まろうね」
とも言って欲しかった。

楽しく 安全に自転車を乗りこなすために 
大人も子どももルールの再確認が大切だね。



 
 
 
 
 
7月 8月 9月
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